<外観>かま猫が新事務所を考えていた頃、建築業界では
「南仏プロヴァンス風」というのが流行っていました。
こんなの(Yahoo!画像検索)土壁風の暖かみのある壁面とテラコッタ瓦は確かに素敵に見えて、新興住宅地の一角が“プロヴァンス通り”になってるなんてことも珍しくありませんでした。
でもね・・・九州や瀬戸内ならいざしらず、当地はごっそりと雪が積もり、地面が凍るんですな~~ (-_-;)
ちょっと似合わない気がするのは、かま猫たちだけでしょ~か??
じゃぁ北国に似合うデザインって何

と考えると、やっぱり
北欧系が思い浮かびます。
北欧風は、もともとかま猫あ猫が住宅展示場を廻っていたころから気になっていたデザイン。
大きな切妻屋根がカッコ良く、メーカーでいうと
北州ハウジングの定番「アルザス」が憧れでした。同じ北国のスカンジナビアで育った自然派スタイルですから、岩手に似合わない訳は無いですよね!(ちょっと強引?)
ただし本格的な大屋根は2階に窓を設けにくくなり、代わりに天窓を付けるのは費用がかさみます。
そこでかま猫事務所は片側のみ1階壁上から立ち上がる大屋根とし、反対側は普通に窓のある2階壁にすることにしました。
また近年は軒の張り出しが浅いモダンなスタイルが人気ですが、かま猫はコレ好きじゃないんですね。
むしろ農家の納屋のような広い作業場が出来るくらい深い軒にしたいくらい。
まぁそれはそれで部屋への日当たりが悪くなったり、建築スペース的な問題もありますので、妥協して3尺ほどの下屋を付けることに決定。またこれを利用して、2階の窓から下屋上に出て、大屋根のてっぺんまで行けるルートを確保しました。
これは
キリギリスさんが著書の中で勧めている、セルフ工事やメンテナンス時に便利な屋根の形です。
言葉での説明はこのぐらいにして、下の画像をどぞ (^o^)/


上と下はよく似ていますが、上は大屋根が南向き、下は北向きなので180度違います。実際に採用したのは下のほうでした。
どちらも
[google sketchup] を使って描いたもの。(もちろん無料板^^;)
このソフトいまだに上手く操作できないんですが、誤魔化しごまかしどうにか使って何パターンか描き、このプリントアウトを大共ホームで相談するときに持参ました。
<間取り>外観と内部の間取りは当然関連してきますので、実際には同時並行で考えています。
間取りの検討には便利なフリーソフトもありますが、かま猫はシンプルにエクセルを使いました。
1マスの高さと幅を調整して正方形になるようにして、これを半畳と想定。罫線で部屋や壁を描いて組み合わせていきます。あらかじめ階段やユニットバスのパーツを作っておき、コピペして使えば便利ですよ。

これがなかなか楽しいんですよね。
建て売り住宅にありそうなオーソドックスな間取りから、玄関ホールの吹き抜けを階段がぐるっと巡るような大胆な構想まで、かま猫は20パターン以上プランニングしてしまいました。
間取りを考える上で軸となったキーワードがいくつかあるので、挙げておきましょう。
●二世帯住宅ひとくちに二世帯住宅といっても中身は色々のようです。玄関が2つあって中が完全に別空間という場合から、なんとなく生活領域が分かれているぐらいの家まで。
かま猫事務所は二世帯ではありませんが、将来的には年老いた両親と同居することも想定しておかねばなりません。
といってもスペースに余裕はなく、結局は6畳の和室を用意しただけでした。。。。
まぁ親が引っ越して来るまでは客間として使えるし、収納を各所に自作するまでは物置にもなります(><)
●仕事部屋このブログが「事務所」を名乗っているワケは、かま猫がフリーランスの仕事をしているから。当然、実際に事務所が必要です

現実には8畳のひと部屋だけですが、、、、でも荷物の出し入れしやすいよう玄関からの配置を考えたり、照明やLAN配線を考えたりと工夫しどころの一つです。
●ループ(回遊)プラン部屋から部屋または廊下を使って移動すると家の中をぐるりと廻ってまた元の位置へ戻れるような、動線に終わりのないレイアウトのこと。
右回りでも左回りでも行こうとする場所へ行けるので便利で、気分的にも家が広く開放的に感じられるといいます。
この言葉を知ったときは、かま猫事務所にもぜひ採用しようと思いました。
●リビング階段玄関ホールや廊下からではなく、リビングの一角から直接2階へ昇る階段で、大きめの住宅展示場でよく見ました。
カッコ良いというだけでなく、家族の動線を近づける意味もあります。普通の家では、例えば息子が知らないうちに学校から帰って2階にいた、なんて話も聞きますもんね。
反面、2階から冷気が降りてきて肌寒く感じる
「ダウンドラフト」が起こるというデメリットもあります。
●吹き抜けこれはもう定番ですね。開放感があり気分がよい反面、一部屋分の床面積をしっかり食ってしまうことを忘れてはいけません。
将来的には床梁を渡して部屋にリフォームしてしまうことも可能ではあります。
かま猫は上の3アイテム、ループプラン・リビング階段・吹き抜けをセットで考えました。
リビングの中央から昇る直線階段を建物中心にして、リビングから右手の玄関ホール、左手のキッチンをぐるっとひと回り可能なようにつなぎ、仕事部屋や水回り関係はそのループから先へ進むという動線にしました。
リビングの半分は吹き抜けなので階段上部の空間と一体で2階のホールへ続いています。
広がりがさらに増し、また1階にだけ設置した蓄熱式暖房機でも2階まで暖気が通って十分暖まります。心配したダウンドラフトも2階が寒くないため微かにしか感じませんよ。

(施工中の階段。ナツカシ~)
●傾斜天井これは単純にカッコイイから!

山小屋の屋根裏部屋のような、天井が斜めに下がってくる部屋ですね。スペース的には損をしていることになりますが、とにかく雰囲気が好きなので採用

それに、ここに寝っ転がるとなんか落ち着くんですよ。人間も猫みたいに狭いところが好きなのでしょうかね?

当然ここは大屋根の下になっていて、普通の窓は設置できないので一カ所だけ開閉可能な天窓を付けました。
これが無いと2階北側には窓が皆無になり、岩手山を眺められませんのでね

設計士さんに提出したときには、「こちらの希望はこの通りですが、構造的に都合の悪いところがあったらいくらでも変更して構いませんよ~」と言っておきましたが、結果的には全く変更無くこのまま通りました。
いちおう、全体の歪みに対抗するように壁の位置と向きとかを素人なりに想像しながら考えた間取りでしたので、それが良かったようです。
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